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クラウドSIMについて徹底解説!通常のSIMとの違いから使い方まで!

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クラウドSIMとは?

出典:jetfon

クラウドSIMとは、従来のSIMカードとは違い端末にSIMカードを挿す必要がなく、3大キャリアなどのLTE回線が利用できるサービスです。
日本では主にポケットWi-Fiに使われており、各社がサービスを提供しています。

技術的な話をすると、uCloudLink社が提供するクラウドSIM技術を活用したモバイル端末ということになります。

クラウドサーバー上のSIMにアクセスし、そこで場所に応じて最適なSIMカードを選択、回線を提供するというようなイメージです。

日本国内ではdocomo、au、ソフトバンクの3大キャリアをはじめ、楽天回線も含んだ回線を利用することが可能。海外ではその国ごとの回線を別料金で使用できるようになっている場合がほとんどです。

クラウドSIMのメリット・デメリット

特定のキャリア契約をせずに全ての回線の中から自動で一番繋がりやすい回線に接続してくれるクラウドSIM。

これだけ聞くと非常に万能のように思えますが、メリット以外にも当然デメリットは存在します。

クラウドSIMのメリット

  • 全てのキャリアのエリアで使用できるため、使用できるエリアが広い
  • データ容量が大容量のプランが多い
  • 3大キャリアなどに比べて金額が安め
  • 海外での使用が楽

この辺りが挙げられます。

全てのキャリアのエリアが使用できるので、WiMAXなどと比べても非常に多くのエリアで接続できるのが一番の強みです。
地方などで使用が想定される出張の多い方などには特におすすめということができます。

また、データ容量が100GB超の大容量プランも珍しくなく、大容量のデータを頻繁にやり取りするという方にはこちらも嬉しいポイントになっています。それでいて3大キャリアなどに比べても価格が抑えられたプランが多いのも特徴です。

また、海外で使用する際は通常回線の切り替えを行ったり契約を変更したりしなければいけませんが、クラウドSIM端末ではそういった制限はありません。
海外に行った際に海外ローミングをオンにするだけで使用できる端末がほとんどです。

クラウドSIMのデメリット

  • 機種スペックが劣る、速度が出づらい
  • 通信障害が起こる可能性がある
  • 接続する回線を選べない
  • 完全無制限のプランはなし

まずいちばん最初のデメリットですが、これが最大のデメリットです。
対応するエリアが広いので接続できる場所は多いのですが、どうしても機種の能力が低い上に回線速度もかなり遅いです。

クラウドWi-Fiで使用される端末とWiMAX端末を比較してみます。

U3(ギガWi-Fi)Galaxy 5G Mobile Wi-Fi(WiMAX)
重量125g203g
連続使用時間約12時間約16時間
ディスプレイ
通信速度下り最大150Mbps/上り最大50Mbps下り最大2.2Gbps/上り183Mbps

特に著しく違うのがやはり通信速度の部分になります。

クラウドWi-Fiの端末に関しては全てuCloudlinkで製造されているため、外見は変わっても中身はすべて一緒です。
なので、クラウドWi-Fiを使用する端末はすべて通信速度が「下り最大150Mbps/上り最大50Mbps」になります。
こちらの数字はベストエフォートになるため、実際の速度はもっと遅くなります。
画像の読み込みに時間がかかったり高画質での動画視聴が途中で止まって低画質で再生になってしまったりする場合もありますので速度にこだわりがある方には向いていないといえるでしょう。

また、2020年の3月にクラウドWi-Fiは大規模な通信障害を起こしました。
丁度新型コロナウィルスの影響で物流が止まったり在宅ワークが増え始めて利用者が爆発的に増加したタイミングです。
それまで完全無制限を謳っていた各社ですが、回線の容量を制限せざるを得なくなってしまったため、現在では完全無制限のプランを提供している事業者はありません

更に接続する回線を選べないという点ですが、実は繋がりやすい回線に自動接続されると言いつつも実態は8割以上がソフトバンクの回線に接続されるという事象が確認されています。
様々な観点から総合的にソフトバンクの回線に繋がるということですが、こちらも利用者が多いと速度の低下につながってしまうという問題点を抱えています。
docomoのLTEに繋がってほしい…という場合でもソフトバンクやauの回線に接続されてしまうという事になる可能性があるのは確認しておきましょう。

自分に合った使用方法で賢く節約!

メリット・デメリットがはっきりしているクラウドSIMですが、使用する上でいくつかの注意点を確認すれば通信費の大幅な削減に繋がる可能性があります。
具体的には

  • 月々の利用容量を把握して契約する
  • 2年縛りを利用するかどうかを考える

この2点を意識するだけでかなりの削減に繋がります。

まず1点目ですが、こちらは月々自分が利用している利用容量を確認し、それに見合った容量の契約を行うという方法です。
例としてゼウスWi-Fiの内容を見てみましょう。

このようにそれぞれ20GB、40GB、100GBという容量での契約になります。
月々たくさん使用するという方は100GB普通に使用するという方は20GBでも問題ありません。

参考までに10GBでどの程度のことが出来るかの目安も見てみましょう。

スマホの場合PCの場合
HP閲覧30,000回4,000回
テキストメール650,000通300,000通
Youtube40時間(360p)13時間(HD720p)

10GBで出来ることに関しては環境によって多少の差異は出てきます。
しかしながら大体はこのくらいですので、月にどの程度自分がインターネットを使用するかということを考えながら契約をすると良いでしょう。
固定回線と違い、外でも使用できるという点から容量は余裕を持っておいたほうが間違いありません。

2点目の2年縛りを利用するかどうかですが、こちらは当然縛りのあるプランのほうが安くなる傾向があります。

出典:ゼウスWi-Fi

縛りなしのフリープランですが、上の金額と比べても高くなっていることが分かります。
2年以上使用する場合、もしくは長期で使用する想定であれば縛りありのプランの方が間違いなく安くなりますが、すぐに解約するかもしれない、光回線が開通するまでのつなぎなどの事情がある場合は縛りなしのプランを検討したほうが良いでしょう。
ちなみに2020年10月の電気通信事業法の改正により、大手キャリアの解約違約金1,000円になりましたが、ユーザー数が100万以下のMVNOはこちらの対象外になっています。なので解除料金が10,000円超えの場合もザラにありますので、2年縛りで契約をする際は必ず事前に確認する必要があります。

まとめ

  • 速度はそこまで出ないが大容量のプランも安めの傾向
  • 海外でも非常に使いやすい
  • 安定した速度が必要なら光回線や普通のモバイルルーターの方が良い
  • 回線速度を必要としないライトユーザーの方に特におすすめ

上記を読んでクラウドSIM契約の参考にしてみてくださいね。