10/1にスマホを契約したりする際にSIMロックをかけるというのが原則禁止になりました。
総務省「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン(令和3年8月改正)」
こちらのガイドラインが先日施行され、全国で10/1以降に販売された端末については原則としてSIMロックを解除した状態で販売することが義務付けられるようになっています。
過去にはauがSIMロック解除の案内ページを検索回避していたなどの事例もあります。
auがSIMロック解除方法ページを検索回避か 携帯電話代理店運営者が指摘
auの回答としては設定ミスというかなり苦しい言い訳になりましたが、何故ここまで各キャリアはSIMロックにこだわるのでしょうか?
SIMロックが禁止になるとどういったメリットやデメリットが発生するようになるのか、こちらでは詳しく見ていきます。
目次
そもそもSIMロックって何?
SIMロックとは端的に言うと「端末を特定のキャリアのSIMでしか使用できない状態にする」ことです。
図のようにdocomoで契約したスマホであればdocomoの回線を使用している系列のSIMカードのみしか使えない状態に機種に縛りをいれるのがSIMロックということになります。
この状態のままだと例えばdocomoで契約したスマホをMNPでauやソフトバンクに乗り換えたいとなった場合でも、別途端末を用意しなければならないためまた端末を買い直すという余計な出費が重なります。
2014年以前の日本では大手キャリアで発売した端末はそのキャリアの回線しか使えないということが当たり前でしたが、2015年の5月から総務省の「SIMロック解除に関するガイドライン」の改正により、ユーザーが求めた場合に各キャリアはSIMロックの解除を行わないといけなくなりました。
これによりSIMロックの解除は現在だと誰でも任意で出来る状態が続いてはいましたが、そもそもSIMロックというものを知らない層も多かったため、今回総務省がさらなるガイドラインの改定を行ってSIMロックというもの自体を禁止したという背景があります。
SIMロック禁止によるメリット・デメリット
メリット
乗り換えがしやすくなる
まさにここが一番のメリットであると言えるでしょう。
端末に挿すSIMの制限が無くなるわけですから、安いプランや自分に合ったプランを選択して賢く節約を行いやすくなります。
端末を購入して機種変更を行った後、古い端末に格安SIMを挿して再利用するといった使い方もしやすくなるのは嬉しいポイントですね。
しかしながら各キャリアで販売している端末によっては発売元のキャリアの電波帯で快適に使用できるように調整されているものも多く、他の電波を拾いづらいということもあるため、注意が必要です。
別キャリアのSIMカードを入れると通信が遅くなったり不安定になる、最悪の場合繋がらずに使い物にならないという事もあります。
各端末でどの周波数帯に対応しているかという情報は製品のメーカースペック表が載っていますので、事前に自分で調べておく必要があるという事になります。
当然ながら各キャリアで他キャリアのSIMカードの動作確認などは全く行っていませんし、購入後に他キャリアのSIMを挿した事によるトラブルなども一切関知しません。そちらに関しては気をつけなければいけない点になります。
当然ながらiPhoneなどの大きなメーカーの端末であれば上記を気にする必要は無いため、大きなメリットと言えるでしょう。
海外使用がしやすくなる
国内のSIMカードをそのまま海外で使用しようとすると、実を言うとかなりのコストがかかります。
国内のSIMを海外で使用する場合は1日辺り3,000円程度が大体の相場です。
滞在日数*3,000円と考えるとかなり大きな負担になります。
しかしながらSIMロック解除が出来ることにより現地のSIMカードやプリペイドSIMなどを使用することにより、こちらの通信費用を大きく削減することが可能です。
しかしながら当然こちらも上の周波数帯域の問題は出てきますので、可能であれば事前に訪れる国のSIMカード事情をチェックしておくと良いでしょう。
デメリット
割引が減って端末の金額自体が高くなってしまう
各社でSIMロックをかけることにより、そのキャリアのほぼ専門のスマホを割引などで安く提供してきたという背景があります。
しかしながら現状は2年縛りもかなり下火になり、端末もSIMロック禁止により各キャリアに囚われる必要が無くなったため月額料金の割引の種類も激減してきています。
結果的にユーザーは「縛られなくはなったが月額の料金は実質値上げ」になってしまっているのが現状です。
今回のSIMロック禁止に関しても自分で格安SIMをしっかり検討したりということが出来なければ結果的に高くなってしまうということもあるためそちらは気をつけましょう。
まとめ
- SIMロックフリーになり、選択肢が広がった 海外でも使用しやすくなった
- アンドロイドスマホなどの中には各キャリアの電波しか最適化されていないものもあり、仕様を確認
- 各キャリアの割引が減ってきているため、こまめなプラン見直しと情報収集が必要
これからの時代は自分で調べないと損をしてしまう可能性が高くなってきたというのは残念ながら事実です。
このサイトがそんな皆さんのSIMを調べる手助けになれば幸いです。