MNOで提供している各キャリアの扱っている電波はそれぞれ違います。
docomoやソフトバンク、auや楽天モバイルなどで使用している電波はそれぞれ違うので、双方向の互換性があるといえばありますし、無いといえば無いです。
この記事では各キャリアのバンドが違うとどういう事が起こるのか、何が変わってくるのかをお伝えします。
目次
バンドの違い
3G、4G(LTE)回線
上記の図を見ていただくと分かる通り、3G回線、LTE(4G)回線で各キャリア使用している電波帯が違うことが分かります。
3G回線は終息していくため主にLTEになりますが、この中でもバンド1を各キャリア主力にしており、広いエリアをカバーしています。
大都市で使用されているバンド3はバンド1よりも高速で、東京、大阪、名古屋などに対応しています。
※au、楽天がバンド3に新規割当を行われたため、現在では全キャリアでバンド3を使用しています。
また、プラチナバンドと呼ばれるバンド1では足りない場所を補完するバンドが各キャリアそれぞれ違います。
こちらが入ることで郊外や地方、地下などでも繋がりやすくなります。
docomoはバンド19、auはバンド18/26、ソフトバンクはバンド8をそれぞれ主に使用しています。
更にそれとは別にバンド42というものを各キャリア使用しており、こちらはキャリアアグリゲーション(複数の電波をひとまとめにしてデータの送受信を行う技術)で用いられています。高速通信が出来るため、速度は出やすいですが対応している地域は少ないです。
5G回線
5Gの電波には「Sub-6」というのと「ミリ波」という2種類の電波があります。
Sub-6は混線が起こりやすいものの遮蔽物などに強いという特徴があり、ミリ波は高速ではあるもののSub-6に比べて遮蔽物に弱いという特徴があります。
この2つを組み合わせて5Gの電波を飛ばしています。
Sub-6GHz周波数帯
こちらはSub-6 GHz帯という、0.45-7 GHzの周波数を用いる5Gの周波数帯です。この周波数は4Gの技術を応用することができ、現在の5Gサービスはこちらがメインになっています。
この中で世界的に整備がなされてきているのがn78であり、n77も含まれています。
docomo以外は3.7GHz帯を使用していることが分かります。
5Gを使用したいという場合はこちらのn77,n78に対応している機種を選ぶ必要があります。
ミリ波周波数帯
従来の周波数帯に比べて非常に高周波になっているミリ波ですが、5Gでは26GHz以上の周波数帯をミリ波と呼んでいます。
こちらは直進性が強く、遮蔽物には非常に弱くなっているため普及させようとさせるとたくさんの基地局が必要になります。なので、ミリ波の5Gを提供している場所はとても限られています。周囲に遮蔽物のない広場やスタジアムなどで一部運用が始まっています。限られたスポットでの使用となるため、一般家庭に普及するのはしばらく難しいでしょう。
バンドの違いで起こること
機種によっては接続が不安定になる場合も
こちらの記事でも軽く触れてはいますが、バンドが違う=通信できる範囲や場所、そもそも拾える電波が違うということになります。
docomoの端末でauの電波が拾いづらかったり繋がらなかったりということもあります。
なので、格安SIMでもdocomoタイプとauタイプで違うプランを用意していることも多いです。
もちろんdocomo、au、ソフトバンクで使用できるエリアも違いますので、そちらに関しては従来の携帯電話と同じ考え方でOKです。
端末の仕様にもよりますが、どこの機種であってもまずは仕様を確認して自分の使用するキャリアのSIMに対応したものを選ぶ必要があります。MVNOの動作確認表なども利用すると良いでしょう。
まとめ
- 各キャリアの電波には周波数帯(バンド)があり、それぞれ違う
- バンドが違うと通信が出来ないため、使う電波に合わせた機種とSIMの組み合わせが重要
- 5Gの電波は2種類、全国的に普及してきているSub-6と高速通信が可能なスポット電波のミリ波
- 使いたいバンドが受信できる機種を選ぼう
一見すると難しそうなバンドですが、見てみて要点をまとめてみると実はそんなに難しい話ではありません。
スマホやタブレットの仕様を見る際の参考にしてみてください。